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なんでも投稿−その13「一日だけのまちの駅」(2002.12.18)

投稿者(福岡県のまちの駅博士、手嶋さん)からのレポートです。

福岡県の北九州市に若松という街があります。

筑豊炭田で石炭が採れていた頃、その積出し港として、それはそれは賑わっていた街ですが、今では商店街はお店もお客も少なくなって、とても寂しい街になっています。

そんな寂しい街が、ある日一日だけ賑わいました。平成14年11月8日(金) のことです。

その日、街に何が起こったのでしょうか。

 

↑入口の様子

それは商店街の一角、それまでずっとシャッターが下りていたあるお店の跡。その日の朝10時シャッターが突然開いて、なにやら楽しそうなお店が出現したのです。

お店の名前は、「ほっと、人駅」。

店員さんは、みんな制服の高校生。20人くらい。ほとんどが女子ですが、中に3人男子もいました。福岡県立若松商業高校の生徒たちです。

やがて、小さな子供たちが集まってきました。なぜならその店は、一個10円で駄菓子が売られていて、ボール投げゲームもあって、しかもプリクラ写真コーナーで自分の顔の缶バッチをつくってくれるということだったからです。 子供が集まると、大人たちも集まってきました。

お店の中には、昔賑わっていた頃の若松の写真が飾ってあって、おばあさんたちはとても懐かしそうです。

 

↑中の様子

そして夕方になりました。

お店は学校帰りの小中学生や高校生たち(多分店員さんたちの友達でしょう)が集まって、さらに賑やかになりました。

最初のころは恥ずかしそうでとても小さかった呼び込みの男子高校生の掛け声も、今では堂々としていて、楽しそうです。

よく見ると、ずっと生徒たちを見守っている大人たちがいます。生徒たちの高校の先生だということです。先生の一人に聴いてみました。

この店は、商業を学ぶ3年生が今まで習ってきたことを、一日だけ実際に本物の商店街で試してみようということで行われたということでした。

このお店で何を売るか、お店の中をどのように飾るか、誰がどんな係をするか、どうしたら多くのお客を集めることができるか、みんな生徒たちが自分たちで話し合いながら決めたそうです。

 

↑手づくり表示に営業項目が。

午後6時、お店は閉まりました。

生徒たちも「ほっと一息」。でもこの店は一日だけ。

すぐにお店を畳まなければいけません。みんなで協力しあって、てきぱきと後片付けが進んでいきました。

さて、このお店の名前、「ほっと、人駅」の由来。お店の入口にあったパンフレットにはこう書かれていました。

「駅は、いろいろな人が集まる場所です。私たちの店もほっと一息できるような場所であり、たくさんの温かい人が集まる店にしたくてこの名前をつけました。」

たった一日だけでしたが、これもりっぱな「まちの駅」ですね。

 


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