No.27   特別編:まちづくりの名トリオ
まちの駅ぽっぽ町田の仕掛人・・・インタビュー


 

柳澤 秀秋(やなぎさわ ひであき)さん
町田うまれ・町田そだち
町田一番街の会長さん



米増 久樹(よねます ひさき)さん
百貨店勤務からまちづくラーに。
町田まちづくり公社 事業部長さん



嵯峨 幸喜(さが こうき)さん
青森県出身。学生のころから町田に。
NPOにろくの会の理事長さん


左から、柳澤さん、奥が嵯峨さん、右手前が米増さんです。


商店街と、
デパートが、
手をつなぐ組織
チュウタイキョウ。

米増:
  町田市中央地区商業振興対策協議会(中対協)は13の商店会と16の大型店による会で、 私はそのとき、小田急の代表としてこれに参加していました。 その時の幹事長が柳澤さんだったんです。 あまり大型店は前に出ないように・・・って思っていたんだけど、副幹事長になっちゃって・・・。
  大規模店鋪小売法(大店法)があるので、大型店は出店のときがいちばん厳しい。 オープンしてからは、時間を延長するとか、売り場面積を増やすとかで、ひとつひとつ同意をもらわなきゃいけない。それを簡素化するためにも、この中対協は役に立っています。 一緒にイベントをやったり、大型店に対する苦情等を受けるクッションになったりもしています。町田では、5つの対策協議会があり、 手続きの簡素化、商店街と大型店の情報交換や大型店どうしの情報交換の場になっていますし、 一緒の土俵に上がるということが、人脈を広げるのにも役に立つんです。
  そんな中、私は小田急デパートの渉外担当を13年やりました。 百貨店の人間としてまちのひととおつき合いしていく中で、一種独特のものを感じた。 利害関係が発生するときは問題も出て来るけど、基本的には仲良くいろんなことをしている。 新宿にもいたけど、町田を他のまちと比べてみると、町田は封建的なところもある。深くつきあえばつきあうほど味が出て来る・・・そして深みにはまった(笑)・・・大型店の担当者がみんなそういう風に言うまちなんだ、町田は。

柳澤:
 中対協ができた頃は、全国的に、商店街と大型店が背中を合わせていた時代だったんだ。 それを共々、手を携えてやったのは町田だけだと思う。
 そこで一緒にやってきた米増さんに、「人生変えてよ」って言ったんだ。 いろんなものさしを考えて信頼をおける人だったから。 私たちのような商人は一国一城の主人で、組織には不向きだし反発も多い。 だから、ある程度距離感のある人に入ってもらった方がよかったというのもあった。

町田まちづくり公社、
まちの駅ぽっぽ町田、
できる。

柳澤:
 中心市街地活性化研究会を、行政の音頭で初めて今年で5〜6年になる。 民間の事業者・商店街の人などが入っている会。 この中のメンバーから「道の駅」に似たのがあるけどやってみないかということで興味を持った。それが「まちの駅」だった。

──この研究会の中で、言ってみれば「ふってわいた」話だったそう。 大丸しかデパートがない頃、地元商店街の核店舗だった「吉川百貨店」の跡地を、 まちの駅として活用しよう!ということになったわけです。 (市が20億、国が10億、地元商業者約3億、出資)

柳澤:
  いろいろ不安もあったが、飛びつくだけ飛びついてやってみよう!ということになった。 まちの駅のある原町田の商店街は、江戸時代から栄えてきた歴史ある商店街で、明治時代には八王子で生産された絹を横浜に運ぶ商人たちが行き交うようになり、「日本のシルクロード」として発展したところ。 この歴史ある場所を、市民のコミュニケーションの場にしていきたいと思った。

──町田まちづくり公社の初代社長は町田市長。今は助役さんになっているそう。 「もうこういうことは民間に任せるべきだ。今度の選挙応援するから社長を辞めて欲しい」と、柳澤さんは市長に直談判したそう。

柳澤:
  町田がどんどん成長していた時代は会長も2年交代だったんだけど、 最近は後継者不足だし、経営も大変だしで、ズルズルと商店会長をやってる。今年で10年目。 でも、新しい風を吹き込んでいかなきゃと思ってる。 嵯峨さんやNPOの人たちにはホントに期待しているんだ。

NPOにろくの会、
誕生。
…そこに込められた
町田への愛。

嵯峨:
  商店街の人間だけでやっていたまちづくりから、一歩前に進もうということで、 「にろくの会」をつくった。 町田市民全員がまちづくりに関わるきっかけがここにあると思っています。
  商売の言葉で「文句を言う人が買いに来る」っていうのがある。 だから、町田のこと、どんどん文句言ってもらおうと思うんです。 町田で生活し買い物する人たちが、顔をつきあわせて意見交換できる場所がこの「にろくの会」。 このメンバーには学生もいる。
 こういうメンバーと、価格や手軽さでチェーン店の飲み屋に行くところを、あえて路地や裏道にある飲み屋に行く。 「あぁ、こんなところにこんな店が・・・」と、心にとめておくことなんだ。 この意識、ちょっとしたことなんだけど、まちを知り愛着を深める方法だと思う。
 個人でやってるお店の方が値段は高い。でも町田でずっとがんばってきた人たちのお店だし、 イベントやお祭りのときは、こういうお店が寄付してくれたり、お神輿かついでくれたりするんです。 最近たくさんでてきたチェーン店は、大資本でいい場所を借りて、 お客さんがはいらなければまた別のところに・・・という考え方がまかり通っているような気がします・・・。

柳澤:
  町田は商店街と百貨店が手をつないでやってきたまち。 最初は反対運動してたけど、いっしょにまちづくりを考えてきた仲間だと思う。 商店街やまちが活き活きさせるのは、ひとつひとつのお店の努力と、「お互いさま」という気持ち。
 「愛なき教育は知恵ある悪魔を生む」………自分だけで築いてきた訳じゃないんだ。
 商売に苦労している人は「おかげさまで」という気持ち、ちゃんと持ってる。 大型店舗には、商売の基本がある。人材教育、企業としての質をちゃんと追求しているし、地域に根ざそうという発想がある。 まちの中の会合…例えば私のところの一番街の会合に、大型店の渉外が来てくれるんだ。これって先輩だちが残してくれたいい習慣だと思う。東急デパートの人がそこで議事録担当してて紙配っていたり、銀行員が会計担当だったりね。
  未来の夢のために、我々がなにかしなくちゃ!という気持ち。 そう、この気持ちはみんな一緒だと思う。
 中心市街地の活性化は商業だけの問題じゃない。そこに関わるすべての人と合わせて考えていくこと。 底辺の部分、仕組みとか応援体制とかは、私たちである程度つくっていくにしても、 イベントやお祭りに参加してくれる人たちだってまちづくりに参加してるんだ。 厳しい課題はたくさんあるけど、楽しんでやってるんだ。

――うーん、なるほど。とにかく地域を大切に思う気持ち、それは商店だけの問題ではない、みーんなの問題だ、と。だから町田市民全員対象の「にろくの会」につながるのですね。

町田のこれから

柳澤:
  町田は軽犯罪の多い地域。 町田の学校のPTAでは、町田の中心市街地は危ないから、保護者と一緒じゃないと行っちゃいけないってことになってる。中高年も、8時過ぎには恐くて歩けないなんていってたりする・・・。 中心市街地の活性化を考えると治安のことだって無視できない。
  商売する前に周辺の環境を整えなくちゃいけない。 前、何かの会合で警察署の人が遅れて来ていうには「パトカーも車もとにかくみんな出払ってしまって、乗ってくるものがなかったからバスで来た」と。そのくらいパトカーが出動しっぱなしだし、警察の人員も足りないってこと。 だから明大前の商店街につづいて民間交番をつくろうと思っているんだ。

嵯峨:
  にろくの会では、 学生が企画をしてスリーオンスリー大会やヒップホップダンス大会を、 フェスタまちだに誘致していければ。
  3411(道路)は道幅が25メートルある。 そこの中央分離帯をとっぱらって、全面開放して、 いつでもイベントできる場所にできたらいいですね。 十八番(おはこ)プラザをつくって、市民のオハコを披露する場にしたい。 スリーオンスリーの大会については、村上くんという学生が、いろんな大学に呼びかけるとはりきっています。町田周辺に大学は多いけれど、その大学生たちはあまり町田の中には入って来ない。むしろ地元の子たちの方が、就職も大学もバラバラだけれど、地元でなにか楽しいことしよう!という風に盛り上がっているんです。その上で地元の大学に通う地方の学生たちもひっぱりこめれば、と。
  それから、町田の問題点をさぐるシンポジウムを一年に4回、開催する予定。 犯罪、不法駐輪・自転車公害、地域通貨等、テーマを決めてやっていきたい。 今年は、それを話し合い、まとめあげ、来年実際に動いていきたいと思っています。 第一回目のシンポジウムは6月30日。 本当の意味でのまちづくりを考えて行きたい。
  まちの駅としては、情報発信機能を充実させていきたいですね。 ポータルサイトの充実や中心市街地の地図も整理して・・・。 小田急の線路で分断されてしまっている現在の総合案内の地図とシステムを構築していきたい。
 2年間、まちの駅を運営してきて思うことは、 本当にいろんな質問をされるということ。 まちの駅の確かな役割を果たせるようなシステムを構築していきたい。 まちの駅で案内をしている松井さんが、一件一件お店を調べて回っています。 これも後々、すごいデータベースになって行くと思いますよ。

米増:
 せっかくまちの駅が全国にあるから、 その物産を持ち寄ったイベントとか、 「友情価格」で場所を提供するので、 恒常的なイベントとしてやっていきたい。
 とにかく、いろんな問題はあるけど、みんなで結構楽しんでやってるんですよ(笑)

管理人から一言
 柳澤さん、米増さん、嵯峨さん、本当にどうもありがとうございました!
 いやぁ、感動しました、町田編。時間がなかったのでとりあえずでまとめてしまい、みなさんにこのカンドーをお伝えできるかわかりませんが、とにかく熱い方たちです。で、いろんなこと考えて実際にやっちゃってます。すごいです。行動力と誠意、そして熱意のかたまりのような方たちでした。今後ともよろしくおねがいいたします☆

 


 

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