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★議事メモ
<全体の方向確認>
遠藤:
6年前にまちの駅の取り組みを実験的手法で始めた。実験から常設へ、その応援のために4年前に協議会を作ったが、4年の中で状況が変わってきた。行政よりも民間の施設の台頭が目立ってきており、まちどうしの連携を主な目的とするまちの駅と、中心市街地の活性化等まちづくり色の強いまちの駅の2パターンが出て来ている。また、道や川を介して進めている地域連携軸からそれた地域で、バラバラとできているまちの駅の連携をどう考えていくか。案内人の研修や共同での地図作成による連携・協力の体制づくりをどうしていくか、意見をききたい。
糠谷:
まちの駅を担当するスタッフが、6年経ったのでもう一度まちの駅を考え直したいということで相談を受け、じっくり話しをした。
今後、まちの駅はあかんという声も出てくるのは間違いない。常設が50あるといっても、本当に機能を果たしているかというと疑問のものもある。何をやっているかがはっきりしない面があるので、その辺を固めないとうわべだけ走ってしまい実がないということになりかねない。
拡大方針で、なんでもまちの駅として、実験、ウエルカムという進め方だったが、けじめをつける時期ではないか。 連携ということに重点を置くか、まちづくりに重点を置くかは、それぞれで両方あっていいと思う。当初は連携中心であったが、厳密に考える必要性はない。
特定テーマに特化したものがでてきたが、これの扱いが難しい。海の駅や健康の駅等、話題性があり、独自の動きをしているのでプロジェクト化していく方針があり、そこと関係付けていけばいいと思う。しかし一緒にはできない部分があり、それぞれでやるような緩やかなつながりで進めないと、包括的には難しい。
いちばんの問題は、やっている人にイメージが湧かないこと。そこで事例集を作ると良いのではないか。HPも、まちの駅の常設館はあるが、ほとんどが施設の情報か人の情報で、地域情報がない。そこに行けば何があり何ができるのかの情報を出せないだろうか。ここにいけばこんなことがあるということが全国ベースでわかるようにすべきだ。
広域地図に関しては面白いところが分かる地図が必要ではないか。道の駅が巨大産業になっているが、施設の関係や地域の特色が分からないので、そういうものを表現できる地図が必要。
まちの駅連絡協議会の会員をどうするか。会員制なのだから金はきちんと取ること。看板を掲げるところからいただき、イベント等をやる場合は、それとは別に実費をいただく。いろいろな仕掛けやイベント企画など、必要経費はいただくようにしないと続いて行かない。
そろそろ、広げることから固めることにした方がいいのかなと思う。
山口:
田中が声をかけ、取り組み当初は、やる気のある首長が進めてきたが、自治体以外にもやりたいという人が出てきている中で、どのように全体として説明するか。そのためのツールが必要になっている。
「ひらく」「出逢う」「結ぶ」がキーワードだと考える。 各地域連携軸でやっている社会実験は、国の予算で行うので、自治体や施設の金銭的負担はない。数年取り組んで来ても、国の支援がなくなると、おしまいになる現状が悔しい。ただ、素晴らしい施設もあり、看板をつけるだけでもメリットがあるという施設もある。
まちの駅という看板なしにまちづくりを呼び掛けてもだれも振り向きもしないが、看板があるとみんなが手伝いやすくなる。社会貢献のために、まちの駅の看板から始めることができる。
最近行った鹿児島市では、複合施設の一角をまちの駅にしているが、ミニFMラジオを入れたり、回覧板にまちの駅の情報を入れたり、中年女性が敬老会の事務局を請け負い、敬老会メンバーの溜まり場になっていたりと、様々な人の能力を活用した活動をしている。
実験から常設に移る意識がないところは振り落とすことも必要ではないか。例えば1年実験をしてみて常設しないところは看板をはずすべきだ。
中野:
門司には観光ボランティア制度がある。時間に余裕がある人のボランティア登録制度があり、観光客が無料でボランティア案内役についてもらえる。そうすると町のファンになり、リピーターになる。まちの駅での情報提供とリンクするとまちの活性化につながる。ボランティア案内人の溜まり場としての機能も重要ではないか。
井出:
まちの駅とは?目的は?を振り返ってみると、教育的な視点が欠如しているのでは。まちの歴史に詳しい人を入れて、自分のまちの成り立ちや歴史を知ることで、隣のまちにも関心を持ってもらう。それをつなげていく場所としてまちの駅がある。
実験を250ケ所でした、そこから絞っていくというが、もっと多くの場所でまちの駅の実験をして広げていくことも同時並行的に進めるべき。金がなければだめになってしまうのは、こちらの意図を明確に伝え、相手に理解してもらっていないからだ。ここは反省点だ。
<各地域の事例紹介>
中村:
健康の駅は、まちの駅のテーマ型の駅。山梨県南アルプス市の徳州会病院で、地域に開かれた病院づくりを進めている。昨年度、周辺のまちづくり関係者を集めたわいわい会議を開催し、議論の中で、共通にくくれるテーマとして「健康」が挙げられ、病院の方でも地域の声を聞きたいということで、1年前から、住民・病院・行政関係者の参加による検討会を設け、「健康の駅」設置に向けた定期的なイベント、病院の敷地内での月1回のペースで朝市を行っている。健康・無添加食品の販売、アロマテラピー等、住民が各々の特技を活かして参加してきた。
「NPO健康の駅やまなし」が立ち上がり、病院の空きスペースの運営がこのNPOに委託されることとなり、今年8月4日に常設オープンとなる。現在、事業参加者を募っているところ。
参加している人たちがどのように関われるか未知数であったため、できることが合致したものから実践してきたこと。これが結果として多数の人が自ら進んで関わりを持つしくみとして定着した。月1回から週1回と頻度を高めていくことが自然に行われるようになった。
総合型の「まちの駅」は、中部西関東地域では5つが常設化されている。兼務が多いけれども、任された人が熱心なところは継続している。首長の熱心さは立ち上げ時までは必要だが、あとは現場担当者の問題。役場職員が片手間でやっているようではいい「まちの駅」にはならない。
佐藤:
関越地域では他地域に先駆け、「まちの駅標準情報」ということで、項目毎に整理した地域の情報発信の実験を行った。窓口が行政だったので、あまり面白みのない情報になってしまったという反省もあり、情報発信にも民間の人や市民団体等の積極的な参加が必要であることを痛感している。
関越地域でモデル的なのは長岡市の森市長のトップダウンがいい成果を出している「ながおか市民センター」。また、群馬県子持村の「道の駅」が「まちの駅」になっている。しかし、本当のモデルというのはひとつもないと思っている。共通看板を立てているが、かやぶきの家や伝統的建造物へ設置する際はテーマに応じた看板が必要であると思うし、地域の特色をアピールしていけるようなゆるやかな枠組みの設け方をしていきたい。
一方で、人が介在し案内人の活動があって、初めて活きるのが「まちの駅」。質の悪い、人の介在がない「まちの駅」は看板を下ろすようにお願いしたところ、それは困るという意見もある。はっきりと説明できる、最低限のルールを明確にすべきである。
顔の見える関係づくりに取り組んではいるが、成功例、失敗例のそれぞれがある。人をつなぐことは小手先でやると失敗する。ひとつできると次々に…と、広げていくことも必要だが、産み落とすだけでは浸透していかない。地域交流センターも熱情を持って取り組むべきである。
北関東地域では、NECを巻き込んだ情報ステーションとしてやっている太田市がいい例。また神社が「まちの駅」になっている群馬県新町の「於菊稲荷神社」では、宮司さんが全国の稲荷神社に呼びかけ、まちの駅祈祷祭を計画中。
北関東地域の会報誌として、紙媒体のPRをしていく予定である。 佐野市では、果樹園と造り酒屋の連携という話があったが、群馬県新治村のたくみの里では総合案内所と体験施設との協力体制があったり、栃木県益子町では駅前観光案内施設とまち中の諸施設とのやりとりがあったりと、同じまちの中の施設間連携も進めてきている。
金丸:
2001年に、北海道のオホーツク地域で社会実験をした。現在、常設の施設は紋別市のみとなっている。紋別周辺は産業クラスターがNPO(代表:奥山)になり、流氷の駅を設置している。NPOの事務局が新聞社で、無人の施設だが、毎日情報を更新し発信している。実験の際、昆虫館の学芸員ネットワークを試みたり、お年寄りツアーで自分たちの町の魅力を再発見してもらったりと、この地域独自の取り組みを行ってきた。ツアーに参加したお年寄りのが、周辺のまちの歴史を再認識させられたと言ってくれた。まちづくりのシンボルが「まちの駅」だと思う。
また、阿房トンネルのある飛騨高山地域に平湯温泉に、バブル時代に造られた大型旅館があり、自然環境をテーマに周辺の3村で地域活性化を考えることになり、「まちの駅」を通して広域のまちづくりの話になっている。
崔:
北関東地域を担当。群馬、栃木、茨城の3県で40ケ所以上での取り組みで、数が多く、連絡・調整等をスムーズに行うのが難しい地域でもある。施設自体も重要だが、人の関わりが重要。水戸では2年の実験事業として、東電(TEPCO)のショールームに土日だけ市民団体・NPOが案内人を担当し「まちの駅」をしており、実験後は別の場所での常設設置を検討している。真岡市でも、東電の事務所に設置している。
佐藤: 北関東地域は、北関東自動車道開通に向け、民間を中心とした300人交流会という組織があり、医療・環境・物流等のテーマ毎の活動があった。それぞれの県に代表者、大学の教授と世話人を置き、彼等がイニシアティヴをとりながら進んで来ている。これらのテーマをつなぐ拠点として、3年前から「まちの駅」の取り組みがスタートした。
山口:
福岡県の地域政策課がまちの駅に取り組んだ例が、甘木朝倉地域にある。1市4町2村が連携して、まち中の普通の商店を「まちの駅」として位置付けている。1年目は21ヶ所、2年目は45ヶ所、今年度は50ケ所。各駅ではトイレを貸し、地域情報を提供する。甘木市にあるこの地域の広域観光協会が、週1回、全駅の情報を集め、編集し、それぞれに発信し返している。広域でのきめ細かい情報発信が功を奏し、地域全体の魅力アップにつながり観光客が増えている。あそこにいけば何かがあるという認識が広まっている。
単にものの売り買いだけではない地域の案内をしたいということで、コンビニの店長さん等も「まちの駅」に参加している。ストリートミュージシャンへの場の提供として、コンビニの駐車場でライブが企画され、大成功をおさめたとのこと。老人ホームが「まちの駅」になり、若者との接点ができるようになったという例もある。国の事業から、県の事業に換えていき、地域の特色を活かせるような関係づくり・運営体制をつくっていけたらと思う。
田村:
四国を回っているときに、「まちの駅」は商売だからよくないという声を聞いた。地域の実力者が言っており、真意は分からないが、見方によっては反感を持っている人もいるということを認識しておくべきだ。
井出: 四国には「もてなしの心」が残っている。八十八ケ所巡りの人に、お湯や宿を提供するという、お遍路さんの歴史の中で築かれてきたいい慣習がある。
遠藤:
案内人の「もてなし研修」を、昨年北関東で実施した。福岡の甘木朝倉地域でも同様の研修を行い、非常に好評だった。
駅で案内をすると言っても、レジ係等を兼ねた主婦のパートさんが多く、パートだから分からないと言われてしまうことも少なくない。でも、実は何かいいことをやりたいのに遠慮しているのではないかと考え、より積極的に「まちの駅」・まちづくりに関わるきっかけづくりの一環として考えている。「もてなし研修」に4つのステップを作った。@誰でも入って来られる。A何でも話せる。B言葉を引き出し、活動を起こす。Cそれをつなげて、まちづくりが起きる。
案内人やこれからまちの駅をつくろうという20名に実施。くだらないように見えるが、実際にちゃんとやれと言われるとできないのが、マナーや接客・接遇。電話の取り方や受け答え方を、ロールプレイ方式でグループ研修をした。参加者は、人に気持ちよく接する事の難しさと素晴らしさを改めて実感し、その気持ちを持ち帰って実践したいと言ってくれた。
講師を引き受けてくださったのは、医療接遇の先生。病んでいる方が癒される場である病院・医療施設こそ、患者さんに対してのマナーと心遣いが必要だと言われている。これは不特定多数の来訪者を想定している「まちの駅」全体に必要な考え方だと思う。
この研修を受けた直後は感動し努力するが、毎日の忙しさにその気持ちがだんだん薄れてきてしまう。それでも、ふとした瞬間に、ああこうしなきゃと思うこと、それがくり返されることに意味がある、と先生はおっしゃっていた。
このように、普通の人がまちの代表・案内役として活躍するのが「まちの駅」だとの思いから、毎月、モデル的な施設を取材するとともに、案内をするスタッフ全員にインタビューをし、ホームページで「案内人図鑑」のコーナーで紹介している。
水:
今年度から、海から日本を考える「日本ぐるっと一周海交流」という大きなプロジェクトが動き出している。港ごとにヨットやマリーナ、漁協などの関係者での海山交流のしくみづくりやその拠点となる「海の駅」の整備に取り組んでいる。「海の駅」を「まちの駅」のひとつとして扱うのか、特殊なタイプの駅として扱うべきであるのか、検討中。
海から来た人が誰でも入れるような拠点としての「海の駅」を目指している。これに関連し「島の駅」を、隠岐と対馬と種子島で実施する予定。今年の夏に1ヶ月の実験実施を予定している。国土交通省の予算が切れているので、活動費をどうするかが課題でもある。
古泉:
新潟県亀田町、山もなければ川もない、観光資源もないまち。地域に「iセンター」をつくるという田中代表の話を聞いてからずっと温めてきたが、今年、NPOを設立し、本格的に「まちの駅」に取り組むことになった。
コミュニティビジネスを念頭に置きながら、施設を借り、老人の食配サービスを始めた。これを「まちの駅」の資金源にしようと考えている。補助金をもらうことは否定しないが、補助金がなくなって存続できなくなるようなまちづくりはしたくない。独立採算の道をどこで得て、いかに活動を継続させていくかが課題。これからオープン準備をしていくので、他の「まちの駅」には、なくならないようにがんばって欲しい。
中野:
誰かのボランティアや犠牲で成り立っているようでは、結局はどこかにしわ寄せが来て、続かない。「持続」という視点から、循環システムをどうするかを考えないと、ただの運動で終わってしまう。
井出:
「まちの駅」は、経済観念がなく始まっている。つぶれそうな駅のてこ入れも必要である。意欲があるところを消さない努力も必要である。
遠藤:
駅の運営の一番の課題は、人件費をどこから捻出するかということ。モデルと言われている富山県の「まちの駅たかおか」「まちの駅ひみ」でも、3人の案内人が元気に活動する反面、人件費の負担の大きさに存続が危ぶまれている状況。
田村:
最近、27年続けた会を解散した。これからまた、ある会の解散決議の総会をするための相談に行かなければならない。その会は、個人負担で存続させている状況になっているため、解散かボランティアしかないという選択を迫られている。
商売であれば成り立つが、お金が無ければ成り立たない。商売を特化させたものか、普通の商売とは異なる何かを要求しているのではないか。
まちとの出会い、中の人と外の人・中の人どうしの交流、それを演出する場が「まちの駅」。しかし、それは商売に乗らない。
「市民政府」と考え、自分たちでお金を集めて、交流の場をつくれば自分たちのものとなる。「行政」と考えると、国からの出先機関であり、お願いに行くという関係になってしまう。
自前でやるのは正しいこと。「市民政府」から引き出すことは、本来自前でやるのとイコールである。それぞれの自治体がお金を出すことは、当然であるという意識も必要である。全額出せというのは無理にしても、一定のものは出してもらい、本来の機能を高めていくべきである。
「まちの駅」には、多くの交流の種がある。老人たちが話をしている環境を作る、いろいろな人が集まり、刺激し合い地域と回りが結びつくことが素晴らしい。卑屈にならずに取り組むことが大切である。
山本:
これからは、超高齢社会。痴呆の問題もあるが、元気なお年寄りも大勢いるから病院にあつまる人が増えていく。お年寄りは決してマイナーではなく、大多数になりつつあるしお金を持っているのもその世代でもある。集まる場を考えていくことが重要だと思う。
太田:
初めて「まちの駅」の生の話をきいた。ゼロをイチにして、イチをつなげてヒャクにすることと思う。ゼロをイチにする段階で、お金がかかるということの面白さと難しさを感じる。人は「欲」か「面白さ」かで参加する。
中野:
田中代表は産み落とす人。それを育てて大人にする人が必要である。「まちの駅」は、まだ大人にならないから、大人にできるしくみをどうつくっていくか。
そろそろ正念場、つぶれ始める時期かもしれない。でも、つぶれる以上につくることで、ジリ貧にはならないようにできるのではないか。だめなものは切り捨て、いいものを引き入れる中で、きっと優等生が出てくる。それをうまく育てていくことが必要ではないか。
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